2015年1月28日水曜日

日暮旅人さん感想

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たまたま借りた

「探偵・日暮旅人」シリーズ

6巻の壊れ物まで読みましたが、なかなか面白かったので感想書きます。
まずはあらすじ。

保育士の山川陽子は勤務先で預かっている百代灯衣の父親、日暮旅人が
探しもの専門の探偵をしていることを知る。
旅人は目に見えないモノを”視る”ことで探しものをしていた。


正直、文章はうまくないです。
混乱することもしばしばありますが、それを差し置いても面白いと思うのは

個性的なキャラクター と 主人公の目の設定

が面白いおかげだと思います。


キャラクターはほんとにいいですね。
私的メインキャラクター説明。

日暮旅人
 「ひぐれ」って読んじゃう。天然に見えてすべて計算。がっつり腹黒。
お人好しは演技。女性をたぶらかすなんてお手の物。
でも(物理的)不器用だからみんな騙される。

山川陽子
 旅人のファン。メガネが6割増しは激しく同意。こっちは本当のお人好し。
母性が強すぎてちょっとうざいけどちょっと羨ましい。苦手なキャラ。

百代灯衣
 作中随一の女子力を誇る。結婚情報誌とか見ちゃうおませな5歳児。
パパLOVE。父親に似て計算高いが可愛さでカバー。
彼女のパジャマは私も欲しい。

雪路雅彦
 旅人のファン。超絶お坊ちゃん。様付けはやべえ。
自ら巻き込まれにきたかと思いきや完全にとばっちり。
若い時は悪ぶるよね。お人好しじゃないけどまじいい人。


この4人は誰でも主人公になれるでしょうってくらい設定が盛り込まれてて
ちょっと盛り過ぎじゃない?とか思わなくもないんですが、
みんな旅人のファンなので、結局主人公は旅人だよねって感じです。

それからこの強烈な個性をもつキャラクターがそんなに出張らないのもいいです。
基本的に短編をつなぎあわせたような構成で、1話1話に別の主人公がいます。
そこに旅人が探偵として関わっていく。
なので彼らの情報は会話の端々から読み取っていくか、
彼らが主人公の短編を読むかしか得られないというわけです。
登場人物の日常や過去を追っていく、という面白さがあります。


もう一つの面白い要素、旅人の目についてですが、
これはまあ簡単にいうと作中にもあるように、視界がマンガのように見えているようです。
音は文字に、匂いは色に、味も重さも、意志や愛までも。
この目がなくっちゃあ、この話は始まりません。

この目を使って隠し味を探したり、目の前に横たわる策略に便乗してみたり。
そんなこともできるの!?
という驚きがあるので、なかなか展開がわかりません。
つまり常識的に読んではいけないのです。

しかし、不思議な目の能力を見せつけられる度に、
なぜこのような特殊な目になったのか。
彼はなぜ哀しい目をしているのか。
という疑問を抱かずにはいられません。
この特殊な目が”視ている”景色と、その背景に思いを巡らせる面白さがあります。


ちなみに、特殊な目になった背景は4巻までに明らかにされます。
ここで一旦話は終わり、5巻からは4巻までの補完とその後の話です。
と思ってたら。

毎回、不穏な雰囲気を醸し出していたエピローグが、
5巻以降も続くじゃないですか…!

このエピローグ、ほっこりする話の後で、鳥肌たつようなことが書かれてるから、
そのギャップで余計に心がざわつくんですよね。
本編も、ハートフルな話とサスペンス調のが混ざってて、気を抜くとやられます。
こういうギャップも私の心を惹きつけてるのかもしれません。





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